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松本良光ブログ『教務さんができるまで』

一人前目指して日々奮闘しているお坊さんブログです

他人のために祈る

 先日、本堂でお葬式が勤まりました。真っ白な幕が張られ、綺麗な花が並び、立派な祭壇が組まれます。遺影を拝すると、故人の在りし日が思い出される。いつもとは全く雰囲気が異なる本堂です。お葬式当日は、故人のために祈る一日。しかし、今回はいつもと事情が違いました。実は、その日に手術を受けるご信者さんがいたのです。

 お葬式当日、手術の開始時刻に合わせて本堂で祈り始め、お葬式30分前に一時中断。お葬式が終わると私は火葬場へ向かいますが、お寺に残った方達は本堂の片付けが終わるまで納骨堂で祈ります。その後、本堂へと場所を移して、みんなと一緒に祈り続け、手術は無事に終了しました。

 同じ本堂で、故人のためにも祈り、他人のためにも祈る。本当に本門佛立宗ならではの一日だったと思います。実に沢山の方々が長時間に亘って祈り続けてくださり、改めて「有難いご信心だなぁ…」と感動しました。皆さんは、これまでの人生の中で「他人のために何時間も祈ったことはありますか?」

御教歌
くるしみを 人ののがれし よろこびを
きくばかりなる たのしみはなし

 他人のために祈る。その方が御利益をいただく。悩み、苦しみを乗り越える。その喜びの声を聞く事ほど、私達にとって楽しみなことはないと、お示しの御教歌です。

 ご信心をさせていただく中で、どんな楽しみがあるか。そもそも「信心に楽しみなんてあるのか?」という疑問をお持ちの方もあるかもしれません。「お寺なんて喜んで行くところやない。」そんな声を耳にしたこともあります。でも、あるんですよね、楽しみはいくらでも。もちろん、自分の願い事を祈って、その願い事が叶った時の楽しみもありますが、それ以上に「これぞ信心の楽しみ、醍醐味だ!」と言えるのが、他人の笑顔や喜びの声です。このときほど「ご信心してて良かった〜!」と思える瞬間はありません。

 隆宣寺のご信者Kさんは今年で92歳を迎えます。いつも「100歳まで頑張るぞ!」を合言葉に、娘さんと共に生活を送っておられます。一月末、娘さんと一緒にバスに乗った時、まだイスに座っていないのにバスが急発車。Kさんは転けてしまい、立ち上がれません。すぐさま病院に運ばれると、大腿骨を骨折していて手術が必要との診断でした。

 Kさんにとって、もう一度、自分の足で歩けるようになるか、ならないかは、年齢的に考えて極めて重要なこと。まさに人生を大きく左右する事態です。100歳まで頑張ってもらうためにも絶対によくなって欲しい!お寺では早速「足のケガが治りますように」「手術が成功しますように!」と毎朝、みんなで祈ることに。もちろん、手術の日は無事に終了するまで祈り続けました。

 手術を受けたのは2月2日。それから4週間も経たない2月27日。娘さんから、こんなメールがきました。「今日、車イスからシルバーカーになりました。」 な、なんと!もう自分の足で歩き始めたんです!ご信者さんで大腿骨を骨折された方は、今までにもありましたが、こんなにも早く回復するのは初めてです。先日、介護職の方にお会いする機会があり、Kさんの話をしたら「それは凄いことですよ!大いに褒めてあげてください!」と仰っていました。

 リハビリも一生懸命で、御飯もキチンと食べる!そして、いつも前向きなのが素晴らしい。娘さんも実に献身的です。Kさんは長年に亘り自転車でお寺に参詣され、色々と御奉公されました。みんなから慕われ、私も高校生の時に色々お世話になりました。そんな私達の祈りも届いたに違いありません。本当に、嬉しいことです。今では階段の上り下りが出来るまで回復。退院される日を、みんなで心待ちにしています。

 お寺には、こんな喜びの声、ご信心の楽しみがあります。まずは自分の願い事を祈るためでも、故人を祈るためでも結構です。私達も、皆さんのために祈らせていただきます。一緒にご信心の喜び、楽しみを分かち合いましょう!本門佛立宗 隆宣寺の教務・信者は「他人のために何時間でも何日間でも祈ります!」
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 月一法話

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